
当サイトは保護猫をテーマにしたサイトになっております。
が、そんな保護猫についてよく知らない人もいるかと思います。
最近言葉として広がり始めた「保護猫」
この保護猫とは、どういう意味なのか。
保護猫を引き取るにはどうすれば良いのか。
などをここでお話ししたいと思います。
目次
よく耳にする「保護猫」って?
保護猫とは、動物愛護団体や個人(保護主)によって保護された、捨て猫や野良猫のことを言います。
猫に限らず、多くの動物が、飼い主の事情で飼い続けることが難しくなったり、繁殖し過ぎて経済的に面倒を見切れなかったり、動物との相性が合わなかったりなど、さまざまな理由により手放されているのが実情です。
ペットショップなどでも、売れ残った子は、繁殖業者や動物実験施設に引き渡される、保健所に持ち込まれ一定の収容期間を過ぎた後に殺処分される、などといった残酷な運命をたどります。
そのような最悪の事態をなくすべくして、動物愛護団体や個人(保護主)が捨て猫や野良猫、売れ残りなどで保健所に連れてこられた猫などの保護を引き受けてくださっているのです。
※動物愛護団体とは、殺処分される動物を引き取り、新しい飼い主さんを探し譲渡を行なう活動をしている団体のことを指しています。
当サイトのマスコット「シャビー」も、動物愛護団体によって保護されていた猫です。
動物愛護団体の方が保護猫の譲渡会を開催しているのを偶然ネットで知り、ご縁に恵まれました。
譲渡会を開催していただけたからこそこうしてシャビーと巡り会えたのだと思うと、保護活動をしている方々には頭が下がります。
保護猫を引き取るには
保護猫を実際に引き取るには、保護主が開催する譲渡会に参加する必要があります。
譲渡会への参加から保護猫譲渡までの実際の流れは以下のページで解説しています↓

是非参考にしてください。
保護猫とペットショップの猫の比較
下の表は、これまでに実家でペットショップ(またはブリーダー)出身の柴犬・ミックス犬・四国犬を育ててきた経験を元に、野良出身の猫(シャビー)を比較し、事実と個人的な感想をまとめたものです。
あくまで音口あいの経験に基づく目安ですので、実際は保護団体やペットショップの方針、個体の基本的な性格などにより異なることをご理解ください。
また、シャビーとの関わりが長くなりいろいろなことがわかってきたら、加筆・修正する可能性があります。
保護猫 | ペットショップ | |
警戒心 | 人なれしておらず、警戒心が強い | 人なつっこい子もいる |
引き渡しのタイミング | 譲渡までに段階があり、 引き渡しまでに日数がかかる |
購入したその日のうちに 連れて帰ることができる |
譲渡or購入の費用 | 20,000~25,000円程度 | 数万~数十万円程度 |
トイレトレーニング | トイレトレーニングが 済んでいる場合がある |
トイレトレーニングが 必要な場合がほとんど |
予防接種(ワクチン)、 去勢(避妊)、 マイクロチップ |
3つとも済んでいる場合がある | 去勢(避妊)はされていない |
※あくまで目安です。
警戒心について
保護猫の場合
保護猫は、野生での生活が長かったり、元の飼い主に虐待されていたり、人との関わりがなかったりとさまざまで、臆病で警戒心の強い子が多いそうです。
シャビーも野良猫出身で、この記事を書いている時点(2019年11月14日)ではまだ保護されて1カ月足らずなため、まだまだ人なれしていません。
保護主さんの元でも慎重な様子で、何か行動するときはほかの猫たちよりも後に行動することが多かったそうです。
ペットショップの場合
一方、ペットショップ出身の子は、日頃から店員さんにお世話をしてもらい、ショーケースのなかで人目に触れているために、人なれしている子もいます。
ただし、保護猫もペットショップ出身の場合も、必ずしも上記の通りであるとは言い切れず、やはり個々の性格によっては上記にで述べたことと真逆の場合もあるかと思われます。
私が初めて会ったときも大歓迎されたし
(膝の上に飛び乗ってきたし)
人も動物もみんな好き過ぎてむしろ困る
(息づかい)
引き渡しまでの日数
保護猫の場合
保護団体などによるところですが、譲渡前の審査、譲渡の説明など、譲渡までにいくつかの工程があるため、数日~半月程度かかるものと思われます。
私たちの場合は、シャビーが初めての猫ということもあり、ケージやごはんの容器などの準備が必要で、引き渡していただけるまでに2週間程度かかりました。
ペットショップの場合
店舗によるものかと思われますが、ほとんどの場合が重要事項の説明、手続き、支払いを済ませた時点で引き渡してもらえるものと思います。
※遠方から引き取る場合にはこの限りではありません。
保護猫と異なり、ケージなどのペット用品を用意してから引き渡しという流れではないため、ペットショップから連れて帰る前に準備しておく必要があります。
費用について
保護猫の場合
団体によるかと思いますが、私たちがお世話になった保護団体では20,000~25,000円程度で、シャビーの譲渡にかかった費用は18,000円弱でした。
保護猫はあくまで「購入」ではなく「譲渡」ですので、売買ではなく、保護団体や保護主がフィラリアなどワクチンの予防接種・去勢(避妊)・マイクロチップの埋め込みなど「立て替えていただいた費用をお返しする」という考え方が正しいのではないかと思います。
前述の通りシャビーが初めての猫ですので、この譲渡の費用以外に、ケージやごはんの容器・トイレ用品・爪とぎなどのペット用品一式、合わせて40,000円程度。
アパート暮らしですので、管理会社や大家さんに支払ったペット礼金や消臭料、手数料などの費用が80,000円程度。
合計で13~14万円程度です。
すでに先住猫がいる場合、設備が整っていれば、恐らく譲渡費+αで済むのではないかと思います。
譲渡の費用やペット用品等実際にかかった費用についての詳細は、こちらをご覧ください。
ペットショップの場合
保護猫に比べると高額です。
例外的に売れ残っている子が破格の値段(1万~数万円程度)で売られている場合もありますが、ほとんどの場合が数万~十数万はかかると思ったほうが良いです。
初めて飼う場合、猫ちゃんの購入費に加え、上述のペット用品の費用、去勢(避妊)する場合はその費用、フィラリアなどワクチンの予防接種が済んでいない場合はその費用などもかかってきます。
さらにアパートやマンションなどの賃貸の場合は、ペット礼金等を払わなければならない場合があることも念頭に置いておくと良いでしょう。
ペットショップでは残念ながらわんちゃんしか買ったことがないため猫の金額についてはわかりませんが、同じ条件で保護猫と比較した場合、2倍程度の金額がかかると思います。
トイレトレーニングについて
保護猫の場合
これについては保護主さんや保護団体などによると思います。
保護期間が長ければ、すでにトレーニングを済ませてくれている場合もあると思います。
ペットショップの場合
生後数週間~数カ月の子がほとんどですので、トイレトレーニングが必要な場合が多いかと思われます。
ショーケースのなかにもトイレマットが設えられていますが、きちんとマットの上でできる子もいれば、マット以外の場所でしている子もいたりとまちまち。
ただし、猫のトイレトレーニングは犬よりも比較的楽であるといわれ、早くて1~2日、遅くても1~2週間でトイレの場所を覚えるそうです。
犬の場合は2週間~半月、遅くて1カ月ほどかかります。
(息づかい)
予防接種(ワクチン)、去勢(避妊)、マイクロチップについて
保護猫の場合
「予防接種(ワクチン)」「去勢(避妊)」「マイクロチップの埋め込み」をすでに終えている場合があります。
ワクチンについては、どのような種類のワクチンを打ったか(何種混合のものか)、フィラリアや狂犬病のワクチンは打ったのかなど確認されることをお勧めします。
マイクロチップについては、埋め込みは完了していても、登録はご自身でしなければならない場合があります。
私たちはマイクロチップの登録に必要な用紙を保護団体の方にいただき、登録のしかたを教えていただきました。
※詳しくはいずれ記事にてご紹介させていただきたいと思います。
ペットショップの場合
「予防接種(ワクチン)」「マイクロチップの埋め込み」は終えているが、「去勢(避妊)はされていない」ことがほとんどです。
その後の判断が飼い主に委ねられることとなります。
「マイクロチップの埋め込み」が完了している場合は、その登録手続きを店舗で行ってくれる場合もあるそうです。
去勢(避妊)について
「去勢(避妊)」については非常に深刻な問題で、賛否がはっきり分かれるものと思われます。
「生殖機能を失ったことによるホルモンバランスの乱れ」「去勢(避妊)後の免疫力の低下」「肥満になりやすい」などのデメリットがある一方で、「長生きする」「生殖器の病気の予防」「性的欲求や発情期のストレスからの解放」「攻撃性の低下」「マーキングが減る」などのメリットもあるからです。
去勢(避妊)を検討される場合は、できれば生後1年以内にされることをお勧めします。
成猫になってからする場合、体への負担が大きくストレスになるだけでなく、子どもの猫よりも回復が遅れる場合がありますのでご注意ください。
「生殖機能」については、人間に置き換えても賛否が分かれる問題かもしれません。
生みたくても子どもが生めない女性もいる一方で、何度も生殖器に腫瘍ができ、その度につらい思いをしている方もいます。
音口あいの身近な人物の実体験
音口の身近に、卵巣に何度も腫瘍ができて苦しんでいた人がいます。
仮に「Y」さんとします。
Yさんは、命に関わる可能性を考慮し、卵巣を2つとも摘出しました。
2人目の子を産んだあとにもう子どもはできないと医師に言われていたそうで、すでにわかっていたことですが、それでも元々あったものを失うということはかなりショックなことだったと思いますし、大変な覚悟だったと思います。
卵巣を失った後、早期の更年期障害になり、ホルモンバランスの乱れによる体温の昇降が激しく、苛立ちや不安感などのストレスも少なからずあるそうです。
しかしながら、腫瘍や病気の罹患リスクが減ったこと、腫瘍ができるたびに繰り返していた痛みや、手術の必要がなくなったことで、何より安心したとYさんは言います。
私は結果的に「Yさんが安心した」というのであれば、その気持ちを尊重したいです。
去勢(避妊)については大変に難しい問題だと思いますが、対象を我々と同じ人間に置き換えた場合、少し考慮しやすくなるのではないかと考え、参考までに音口の身近な方の実体験をご紹介させていただきました。
まとめ
去勢(避妊)については「かわいそう」「人間の身勝手」などといった否定的な意見も未だに多く耳にします。
私たちも上記のメリットに挙げたことがすべて手術せずに叶うのであればしたくないというのが本音です。
しかし、かわいそうで済まされるような単純な問題ではないということも認識する必要があります。
なぜならば、メス猫は一度の出産で平均5匹前後子どもを産むため、「去勢(避妊)されていない子が捨てられる」「脱走」などにより外の猫と性交渉をし、野良猫の数が増え、その結果として殺処分される子も少なからずいるからです。
ここからは個人的な意見ですが、去勢(避妊)はそのような理不尽な死を未然に防ぐという意味で「必要悪」であると考えます。
去勢(避妊)に肯定しているのではなく、「捨ててはいけないのに捨てる人がいる」=「野良の数が増える」=「理不尽な死を減らすには、根本的に生まれてくる個体数を減らすしか方法がない」というのが現実なら、それ以上の最善策が見いだせないということです。
私たちには動物の気持ちを推し量ることしかできないため、良かれと思って行ったことが必ずしも正義であるとは言い切れません。
ですが、去勢(避妊)には「健やかで平和に暮らしてほしい」といった願いが根底にあるということをどうかご理解ください。
先にも述べましたが、ページ内の情報は、音口あいが保護団体にうかがった情報を元に個人的に調べたもの、経験に基づくもので、個人的な私見も含んでいます。
実際は保護団体やペットショップにより見解が異なる、猫ちゃんそれぞれの個性によって違ってくるといった場合がある、ということをご承知おきください。
あくまで目安ですので、サイト内の情報のみをうのみにせず、個人個人で真剣に考え、時には専門家の意見を聞きつつ、大切な猫ちゃんと向き合っていくのがベストかと思います。
私たちも初めての猫が保護猫ですので、これからどうなっていくのかドキドキですが、「保護猫のシャビー」をご覧になっている皆さんと一緒に猫への理解や知識を深めていけるといいなと思っています。
保護猫について、少しでも多くの情報をお伝えし、当サイトが保護猫の引き取りを検討するきっかけになれましたら幸いです。